薬物療法
トップページ、ネクストページ、或はバックページへのリンク
タクロリムス軟膏の登場
「プロトピック軟膏の利点と使い方」の詳細はこちら >>

1999年からタクロリムス軟膏(市販名:プロトピック軟膏)が販売されました。タクロリムス軟膏は免疫抑制剤ですがステロイドではないため、ホルモン作用による副作用はみられません。塗るとヒリヒリするのが難点ですが、多少のヒリヒリ感はあっても2〜3日塗っているとヒリヒリ感はなくなり、ほとんどの患者さんが適応できます。吸収率のよい顔の病変に効果が高く、いわゆるアトピー性赤ら顔の患者さんは激減しました。もちろん体や四肢に塗っても構いませんが、成人への1日の使用量は10g以内(「プロトピック軟膏の使用量の制限と適量」の詳細はこちら >>)となっています。顔だけでなく、体や四肢に有効な患者さんも多くおられます。上述のようにステロイド外用だけではよくならない思春期・成人期の患者さんが19%いると述べましたが、タクロリムス軟膏の市販後は6%に減少しました。これは、タクロリムス軟膏の大きな効能と思われます。まだはっきりとした使用量調査はでていませんが、我々の調査(成人215例)ではタクロリムス軟膏の6ヶ月間の顔への90%使用量は70g(14本)でした。
またステロイド軟膏とタクロリムス軟膏の併用によりステロイド軟膏の使用量が少なくなり、それまで認められていたステロイド軟膏による副作用が回復するというメリットがあります。ステロイド軟膏の使用量が少なくなると、ステロイド軟膏による副作用が6ヶ月間でおよそ50%程度回復するという結果が得られています。
また、タクロリムス軟膏は免疫抑制剤であるため、皮膚感染症の発生率の増加が心配されていますが、表3のようにタクロリム軟膏の使用前後における感染症の発生率に差はみられず、今のところ大きな危険性はないものと思われます。

表3:タクロリム外用併用による治療前および治療6ヶ月後の顔面・頚部の皮膚感染症
イラスト:軟膏 イラスト:治療後の女性
トップページ、ネクストページ、或はバックページへのリンク