医師が患者教育を行い、患者は言われることを聞いていればよいという時代は終わりつつあります。今回、私たち患者の疑問に対して、皮膚科、小児科それぞれのお立場からご意見をいただき、先生方と一緒に治療について考える機会がもてたことを素晴らしく思います。
小児科でも皮膚科でも、EBMに基づいた診療ガイドラインに従えば、基本的な治療法は本来、変わらないはずだと思います。ご参加いただいた皆さまには、アトピー性皮膚炎治療への理解をさらに深めていただき、今後、先生方と私たち患者会が一緒になってガイドラインに基づいた治療法を発信していきたいと願っています。
また、私たち患者会ではアトピー性皮膚炎の子どもたちが他のお子さまと変わらない生活ができるよう、生活面における工夫などを皆さまの声として集め、ホームページにてご紹介しています。こちらも合わせて、ぜひご利用いただきたいと思います。

「NPO法人アラジーポット」ホームページ
http://www.allergypot.net/



患者さんからの相談を聞いていると、主治医とのコミュニケーションがうまくとれていないケースが多くみられます。なかには先生が皮膚を触ってくれないという不満もありますが、患者は皮膚を触ってくれる先生には自分の症状を理解してくれるものと、心を開いて話すことができます。先生方には、どうぞ患者の皮膚を見て触って診察していただければ、と思います。
また、当会には「アトピーの名医を紹介してほしい」という相談も寄せられますが、アトピー性皮膚炎は慢性疾患であり、病院へ行けばすぐによくなるものではありません。私たちは相談の中で「アトピー性皮膚炎はお医者さんを上手に使って自分で治す病気なのですよ」と話しています。主治医の先生から、薬の上手な使い方や悪化要因についてのアドバイスをいただいたら、外用薬を上手に使用して皮疹をコントロールする、悪化要因を排除する、これらはすべて患者さん自身がしなければならないことです。アトピー性皮膚炎は自ら積極的に治療すれば、確実によくなる病気です。アトピーを治療するために生きるのではなく、よりよく生きるためにアトピーを治療するという心構えで、外用薬をうまく使用しながら、どうぞ力を抜いて上手にアトピー性皮膚炎と付き合ってください。

「NPO法人日本アレルギー友の会」ホームページ
http://www.allergy.gr.jp/