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Aryl hydrocarbon receptor deficiency in T cells suppresses the development of collagen-induced arthritis.

PNAS 2011;108:14222-7.

著者らは関節リウマチのモデルであるニワトリの2型コラーゲンで誘発される自己免疫性関節炎を用いて,aryl hydrocarbon receptor (AhR)の関節リウマチへの関与を検討した。

AhRノックアウトマウスは野生型マウスに比べて,関節炎の発症が有意に抑制され,血清中のコラーゲン特異的IgE,MMP-3,IL-1β,IL-6も有意に低値であることが示された。またコラーゲンで免疫されたAhRノックアウトマウスでは野生型マウスに比べて,リンパ節でのTh17が減少し,Th1は増加していることも示された。一方Tregには差がなかった。

次にCre-LoxP系を用いた条件的ノックアウトによりT細胞およびマクロファージ特異的にAhRを欠失させたマウスを用いて同様の検討を行ったところ,T細胞特異的なAhRノックアウトマウスでのみ関節炎の発症が抑制されることがわかった。

以上より関節リウマチの発症はT細胞に発現しているAhRに依存している可能性が示された。


内 博史 2011/10/31

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