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Genetic susceptibility to dioxin-like chemicals’ induction of cytochrome P4501A2 in the human adult linked to specific AhRR polymorphism

Chemosphere 2012 Nov 17. [Epub ahead of print]

筆者らは台湾油症の患者におけるAhR、ARNT、AHRRの多型とCYP1A2の誘導性との相関について検討を行った。台湾油症のコホートで、ダイオキシン類とcaffeine breath testの測定歴がある患者86名および対照群69名から遺伝子検査を行った。


AhR (rs2066853, G/A), AhRR (rs2292596, C/G), ARNT (rs7517566, G/A), ARNT (rs3820541, G/C), ARNT (rs3768016, C/T), and ARNT (rs2228099, G/C)の6種のSNPsのそれぞれのgenotypeについてダイオキシン類濃度とcaffeine breath testとの相関を検討した。


AhRRの多型のみ有意な相関を認め、それぞれのgenotype間で有意な回帰係数の差を認めた(GG>GC>CC)。GG genotypeは15%程度の頻度で出現し、より強いCYP1A2誘導能を持つことが明らかになった。


【用語】

・ARNT (Ah nuclear translocator): AhRと結合し遺伝子の転写を調節する分子
・AhRR (AhR repressor): AhRとARNTの結合を阻害する分子
・caffeine breath test: カフェインの一部がCYP1A2で代謝されることから、放射性同位元素で標識された
 カフェインを投与し、排泄されたCO2量を測定することでCYP1A2活性を定量することができる。
・SNPs (single nucleotide polyphormisms): 一塩基多型


内 博史 2012/12/4

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