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Associations of dioxins, furans and dioxin-like PCBs with diabetes and pre-diabetes: Is the toxic equivalency approach useful?

Environmental Research 118 (2012) 107–111

【要旨】

1999年から2004年のnational health and nutrition examination survey(アメリカ)を利用。TEQには6種のダイオキシン類、9種のフラン類、8種のPCB類を使用し75パーセンタイル以上を上昇群とした。またこれら化合物の中から8種のものについて個別に糖尿病との関連性を検討した。


HbA1cが5.9~6.4%の糖尿病予備群でPCB126、PCB118の上昇と有意に関連しており、この予備群では1種類以上の化合物の上昇がみられる者が化合物の上昇が一つもない者に比べて有意に罹患が多かった(odds ratio 2.47, 95% CI 1.51–4.06)。それより軽い糖尿病予備群:HbA1c5.7~5.8の場合はこれら化合物の上昇と、上昇した化合物の種類数とは関連がみられなかった。また全糖尿病を合わせると4種以上の化合物が上昇している事が有意に多かった。
TEQの上昇(81.58TEQfg/g以上)と全糖尿病については有意に関連がみられたが(odds ratio 3.08, 95% CI 1.20–7.90)、HbA1cが5.9~6.4%の糖尿病予備群では関連はみられなかった。

複数の化合物が上昇している事と全糖尿病との関連はみられ、とくにHbA1cが5.9~6.4%の糖尿病予備群では1種類でも上昇があれば関連がみられた。糖尿病、なかでもHbA1c5.9%以上群ではTEQが上昇する群ほどリスクは上がった(Odds ratio 2.00,95%CI 1.06-3.77 in 34.16~81.57TEQ fg/g→Odds ratio 2.48,95%CI 1.21-5.11 in 81.57TEQ fg/g以上)。


塚本 美鈴 2013/09/30

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