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Aryl Hydrocarbon Receptor Contributes to the Transcriptional Program of IL-10-Producing Regulatory B Cells.
芳香族炭化水素受容体は、IL-10産生性制御性B細胞の転写プログラムに関与する。

Christopher J.M. Piper, Elizabeth C. Rosser, Kristine Oleinika et al.
Cell Rep. 2019 Nov 12;29(7):1878-1892.e7. doi: 10.1016/j.celrep.2019.10.018.

制御性B細胞(Breg)は、自己免疫と炎症の制御に重要な役割を果たす。 Bregの特徴として、IL-10の産生があげられる。しかし、IL-10の転写を調節し、Bregを制御する決定的な因子は不明であった。

我々は、芳香族炭化水素受容体(AhR)がIL-10産生CD19 + CD21hiCD24hiBregsの分化と機能を調節し、炎症に寄与するB細胞への分化を制限することを明らかにした。

クロマチンプロファイリングおよびトランスクリプトーム分析によって、Bregを誘導する環境下において、B細胞のAhRがない場合には、CD19 + CD21hiCD24hiB細胞は炎症性細胞へ分化し、結果的にIL−10の発現が低下した。B細胞のAhRが欠損したマウスは、関節炎が悪化し、IL-10産生Bregおよび制御性T細胞の有意な減少を示し、B細胞にAhRが欠損していないマウスと比較してTヘルパー(Th)1およびTh17細胞が増加していた。

従ってAhRはBregの分化の転写調節に関連する要因として特定された。



辻 学 2019/10


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