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Sex-specific effects of perinatal dioxin exposure on eating behavior in 3-year-old Vietnamese children.

ベトナムの3歳児における周産期のダイオキシン暴露が食行動に与える性別特異的影響

Nguyen ATN, Nishijo M, Pham TT, Tran NN, Tran AH, Hoang LV, Boda H, Morikawa Y, Nishino Y, Nishijo H.
BMC Pediatr. 2018 Jul 5;18(1):213. doi: 10.1186/s12887-018-1171-2.
PMID: 29976197

背景:
我々は過去に、ベトナムのダイオキシンに汚染されたエリアに住む子どもで産前のダイオキシン曝露が自閉的特性を増加させることを報告した。このスタディでは、ダイオキシン曝露がこれらの発達障害でよく変化する子どもの食行動に与える影響を調査した。

方法:
出生コホートに以前登録されていたダイオキシン汚染エリアの185の母子がこの調査に参加し、子どもが3歳になった時に施行した。周産期の子どものダイオキシン曝露レベルは、産後の母乳のダイオキシンレベルを基に推定した。Children’s Eating Behavior Questionnaire(CEBQ)により母親にインタビューを行った。ダイオキシン曝露とCEBQスコアの関係は場所・母体年齢・母親の教育水準・BMI・家族年収・子どもの食事開始年齢・調査時の年齢など共変数を処理し、多重回帰モデルで分析した。性別とCEBQスコアへのダイオキシン曝露への影響は一般線形モデルを用いた。

結果:
いくつかの食行動のサブスコアと1,2,3,4,6,7,8,9-octachlorodibenzofuranに関連は見られたが、ほとんどのダイオキシン構成物質やTEQ-PCDDs/Fsと男児のCEBQスコアに大きな関連はなかった。女児では、TEQ-PCDFsと食の楽しみのスコア、TEQ-PCDFs・TEQ-PCDDs/Fs・飲み物への欲求スコアのそれぞれの間で逆相関を認めた。Pentachlorodibenzofuranと1,2,3,6,7,8-hexachlorodibenzofuranは食の楽しみのスコア減少と関連し、7つのPCDFは飲み物への欲求スコア減少と関連していた。補正した食の楽しみスコアの平均値は高いレベルのTEQ-PCDFsにさらされた男女ともで低下していた。性別とTEQ-PCDF曝露による飲み物への欲求スコアには特に女児で著明な関連を認めた。

結語:
周産期のダイオキシン曝露は特に女児でこどもの食行動に影響を与える。長期フォローアップスタディは評価を必要とする。より長い追跡調査調査は、食事のスタイルや行動に影響を及ぼす感情の発達がダイオキシンに関連があるかどうか判断するために必要である。



江藤 綾佳 2021/02


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