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AHR/TET2/NT5E axis downregulation is associated with the risk of systemic lupus erythematosus and its progression
AHR/TET2/NT5E軸の低下は、全身性エリテマトーデスおよびその進行のリスクと関連している
He-Hsiung Cheng, Lin Hung-Ke, Meei-Ling Sheu, Chun-Yi Lee, Yi-Ching Tsai, De-Wei Lai
Immunology. 2022 Oct 31. doi: 10.1111/imm.13600. Online ahead of print
PMID: 36314527 DOI: 10.1111/imm.13600
全身性エリテマトーデス(SLE)は多臓器に症状がでる慢性自己免疫性疾患だが、予後予測が難しい。この研究では、SLE患者の末梢血のT regulatory cell (Treg)の免疫抑制と、AHR, TET2, NT5の発現について検討することで、SLEの病勢増悪に、AHR/TET2/NT5E経路の抑制がSLEの病勢増悪をもたらしうる可能性について解明することを目的としている。
まず、SLE患者末梢血では、未成熟なCD4+IL2RA−FOXP3+ T cellはSLEDAIスコアと正の相関を示し、成熟したCD4+IL2RA+FOXP3+ Tregでは、AHR, TET2の発現は低下していた。GSEデータベースでは、SLE患者でAHRとTET2の発現は相関していた。次に、In silicoで、TET2のプロモーターがAHR結合部位をもつことが明らかになった。また、Kynurenine (KYN)はSLE患者のTregとJurkat T cell lineで、AHRのTET2プロモーターへの結合を促進した。さらに、NT5Eの発現はSLE患者のTregで著明に抑制されており、それはTET2活性の低下によるNT5Eプロモーターのメチル化の抑制によると考えられた。さらに、TET2と、A2AR-adenosine経路を介したTregの免疫抑制は、コントロール群と比較して、KYNによるAHR刺激群が約2倍高かった。
以上より、AHR/TET2/NT5E経路はTregの免疫抑制に関与し得ると考えられ、この結果は、SLEや関連する自己免疫疾患の新たな治療の開発に有用であると考えられた。
冬野 洋子 2023/01
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