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GDU-952, a novel AhR agonist ameliorates skin barrier abnormalities and immune dysfunction in DNFB-induced atopic dermatitis in mice

新型AhRアゴニスト「GDU-952」は、DNFB誘発アトピー性皮膚炎マウスの皮膚バリア異常と免疫機能障害を改善する

Ye-Hao Liang , Peng Shu , Yong-Liang Li , Menggeng Li , Zi-Heng Ye , Shanpeng Chu , Zhi-Yun Du , Chang-Zhi Dong , Bernard Meunier , Hui-Xiong Chen
Biochem Pharmacol. 2023 Nov:217:115835. doi: 10.1016/j.bcp.2023.115835. Epub 2023 Sep 29.

アリル炭化水素受容体(AhR)は皮膚に広く発現している。様々な外的環境シグナルに対する皮膚免疫応答を制御し、表皮ケラチノサイトの末端分化を促進し、皮膚バリア機能の維持に関与する。活性化AhRはアトピー性皮膚炎(AD)や乾癬などの免疫/炎症プロセスによって引き起こされる多くの疾患の進行を調節する。

本研究では、GDU-952が、ADの皮膚病変においてTh1/Th2免疫バランスの回復とCD4+FOXP3+制御性T細胞(Treg)集団の促進を通じて、IgE値を低下させ、IL-6やTNF-αなどの炎症サイトカインを阻害し、免疫調節効果を誘導できる新型AhRアゴニストであることを明らかにした。さらに、GDU-952 は表皮分化関連タンパク質とタイトジャンクションタンパク質を上方制御することにより、皮膚のバリア機能を強化する。

これにより、皮膚炎スコア、表皮過形成、肥満細胞浸潤などのAD症状が緩和される可能性がある。このことは、ADの管理においてGDU-952の可能性を評価するためのさらなる前臨床/臨床研究の理論的根拠となる。



芳賀 美和 2024/02


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