アトピー性皮膚炎 九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ
タクロリムス外用療法
研究分担者 佐伯秀久 東京慈恵会医科大学皮膚科講師
要旨 はじめに 目的 方法 結果 考察 結論 参考文献
タクロリムス外用療法評価表一覧
評価表の見方
評価法の見方
結果
(1) 日本語の論文
“タクロリムス”と“アトピー性皮膚炎”とをキーワードにして、医学中央雑誌(2003〜2009)による検索を行うと(2009年11月6日実施:会議録は除く、2009年9月号まで)、421件ヒットした。しかし、多くの論文は総説や解説であり、この中で臨床効果に関する原書論文は20件(症例報告は除く)であった。さらにこのなかには4件のランダム化比較試験(RCT)が含まれていた。原著論文のなかで、有用性に関する多施設共同試験は4件あった。ステロイド外用薬との併用療法(使用量に関する調査を含む)に関するものは3件あり、抗アレルギー薬との併用効果に関するものは4件あった。その他に、頚部色素沈着に対する効果、保湿剤との併用効果、眼瞼炎に関するもの、QOLに関するものなどが1件ずつあった。

1) 有用性に関する多施設共同試験
大槻らは2〜15歳の小児AD患者221名を対象に3週間塗布のランダム化二重盲検比較試験を行なった。0.03%および0.1%タクロリムス軟膏は基剤に比べて有意に高い有効性が示されたが、0.03%軟膏と0.1%軟膏の間では有意差は無かった19)。川島らは2〜15歳の小児AD患者214名を対象に1年間塗布のランダム化オープンラベル試験を行なった。1週後以降皮膚症状の改善が認められ、全般改善度が「中等度改善」以上では36週以降で0.03%軟膏群、0.1%軟膏群ともに約90%の改善率を示し、52週まで高い改善率が維持された20)。さらに大槻らは小児ADに対するタクロリムス長期使用時の安全性および有効性を検討した。症例数は134例で、過半数の症例が2年間以上の塗布・観察を行った。0.03%タクロリムス軟膏の使用により8割以上の症例で症状のコントロールが可能であるとともに、長期使用に際しても免疫抑制による易感染性の亢進等の、安全性における大きな問題は認められなかった25)

2) ステロイド外用薬との併用療法
窪田らは中等症以上の成人AD患者19名を対象に、体幹・四肢病変に対するタクロリムス軟膏とステロイド軟膏との併用連続療法の有用性を評価した。タクロリムス軟膏とベリーストロング以下のステロイド軟膏との交互併用療法を2週間行い、その後タクロリムス軟膏単独外用を実施した。特に上肢では開始2週目から皮疹の有意な改善が認められ、その後も改善状態が維持された26)。飯田らは16歳以上のAD患者29名を対象に、タクロリムス軟膏単独による2週間の外用治療と、吉草酸ジフルコルトロン(ネリゾナ®)軟膏ついでタクロリムス軟膏を1週間外用する連続療法との有用性を左右比較法により検討した。連続療法群においてより早期に症状の改善が認められ、約1/3の症例で本法が優れるとの結果が得られた27)

3) 抗アレルギー薬との併用効果
古賀らは成人ADに伴う難治性顔面紅斑患者48名を対象にタクロリムス軟膏で寛解導入後、トシル酸スプラタスト(アイピーディ®)を併用した群とタクロリムス軟膏単独で治療した群に分けて、治療開始10週目までのトシル酸スプラタストの付加効果を検討した。全般改善度で群間の差は認められなかったが、タクロリムス軟膏の使用量は併用群において有意に減少を認めた28)。大谷らは16歳以上のAD患者66名を対象に抗アレルギー薬によるタクロリムス軟膏の減量維持効果を検討した。顔面・頚部の皮疹が改善した患者のタクロリムス軟膏塗布を1日1回から2日に1回に減量し、セチリジン(ジルテック®、エピナスチン(アレジオン®)、ビタミンB2製剤投与群に無作為に割り付け、2週毎に皮疹の程度を観察した。セチリジン投与群はビタミンB2製剤投与群に比べ、タクロリムス軟膏を減量しても顔面・頚部の皮疹に対する効果が維持できることが示された29)

(2) 英語の論文
“tacrolimus”と“atopic dermatitis / atopic eczema”とをキーワードにして、PubMed(2003〜2009)による検索を行うと(2009年11月9日実施:ヒトに関する英語文献に限定、2009年9月号まで)、344件がヒットした。しかし、この中には他のカルシニューリン阻害外用薬(TCI)であるピメクロリムスに関する論文が多数(96件)含まれていた。また、タクロリムスに関するReview(Systematic reviewやMeta-analysisを除く)も多数(62件)認められた。なお、Systematic reviewは2件、Meta-analysisは4件あった。
タクロリムスの臨床効果に関する原著論文(症例報告を除く)は69件あり、このなかには25件のRCTが含まれていた。原著論文のなかで、有用性に関する欧米での大規模な多施設共同試験は7件あり、欧米以外の国毎の多施設共同試験(台湾、カナダ、韓国、タイ、中国)は5件あった。他剤との比較試験が12件あり、内訳はピメクロリムスとの比較が4件、ステロイド外用薬との比較が7件、シクロスポリン内服との比較が1件であった。ステロイド外用薬との併用療法(使用量に関する調査を含む)に関するものは5件、寛解維持療法に関するものも5件あった。安全性に関する文献は13件あり、内訳は血中濃度に関するものが6件、皮膚癌やリンパ腫発生リスクに関するものが4件、細菌やウイルス感染に関するものが3件であった。その他に、ADの眼瞼炎に関するものが3件、QOLに関するものが2件、2歳未満の乳児に対する検討、顔面・頚部での検討などが1件ずつあった。

1) Syetematic reviewおよびMeta-analysis
GarsideらによるSyetematic reviewでは10件のRCT論文を解析し、0.03%および0.1%タクロリムス軟膏はmildクラスのステロイド外用薬より効果が高く、0.1%タクロリムス軟膏はpotentクラスのステロイド外用薬と効果がほぼ同等であると述べている30)。El-Batawyらはタクロリムスとピメクロリムスの両方のsystematic reviewを行った。過去10年間(1997-2006)に掲載されたRCT論文9件を解析し、臨床効果を基剤やステロイドと比較した。タクロリムス(0.1%、0.03%ともに)は基剤やmildクラスのステロイドより有意に効果が高く、moderateクラスのステロイドと同等であった31)。IskedjianらによるMeta-analysisでは15文献(タクロリムスが9件、ピメクロリムスが7件)を解析し、両者の有効性には統計学的有意差はないが、タクロリムスの方が有効率の数字は高く、またより重症の症例に使われていると述べている32)。AshcroftらによるMeta-analysisでは25件のRCT論文を解析し、0.1%タクロリムス軟膏はpotentクラスのステロイド外用薬と効果がほぼ同等であると述べている33)。MiyachiらによるMeta-analysisでは3文献を解析し、顔面の難治性紅斑に対してトシル酸スプラタスト(アイピーディ®)内服とタクロリムス外用を併用すると、タクロリムス外用単独より有効で、タクロリムス外用量も減らせることを示した34)。YanらによるMeta-analysisでは8件のRCT論文を解析し、0.1%タクロリムスは酢酸ヒドロコルチゾン(コルテス®)やピメクロリムスより有効性が高いと述べている35)

2) 有用性に関する欧米での大規模な多施設共同試験
Chapmanらは軽症から中等症の小児および成人AD患者617名を対象に0.03%タクロリムスと基剤との比較試験を行った。その結果、小児・成人ともに、タクロリムスの方が基剤より有効性が高いことが示された36)。Hanifinらは小児AD患者391名と成人AD患者408名に対して、以前に実施された臨床試験の継続試験(長期投与試験)を行った。300名(37.5%)は3年以上経過観察されており(最長4年)、1週間目でみられた効果は全試験期間を通じて維持されていた。また皮膚感染症などの副作用の頻度も経過ともに増えることは無かった37)。Schachnerらは軽症から中等症の小児AD患者317名を対象に、0.03%タクロリムスと基剤との6週間の二重盲検比較試験を行った。タクロリムスは基剤より有効性が高く、皮膚刺激感などの副作用発現率にも有意差は無かった38)。Remitzらは小児AD患者466名を対象に0.03%もしくは0.1%タクロリムス軟膏を最長29ヵ月まで外用する長期投与オープン試験を行った。2週間目でみられた効果は全試験期間を通じて維持されていた。また、またウイルス感染症などの副作用の頻度も経過とともに増えることは無く、タクロリムスは長期投与でも有効で安全であることが示された39)。Reitamoらは成人AD患者672名を対象に2年間の長期投与試験を行った。投与2週間目で明らかな皮疹の改善がみられ、経過とともに改善率はさらに上昇した。最も頻度の高い副作用は皮膚刺激感(31.7%)であった40)。さらにReitamoらは、小児および成人のAD患者(2歳以上)計782名を対象に、0.1%タクロリムス軟膏(連続または間欠)の長期投与試験(4年間)を多施設で行い、有用性を検討した。長期投与でもタクロリムスの有効性は維持され、患者の75%、医師の76%が満足度調査で良好以上と答えていた。安全性に関しても、短期投与試験で得られた結果と基本的に変わらず、安全性に大きな問題はないと考えられた41)

3) 有用性に関する欧米以外の国毎の多施設共同試験
Tanらはカナダにおいて、小児および成人AD患者240名を対象に6ヵ月間のオープン試験を実施し0.1%タクロリムス軟膏の有効性を評価した。投与前に比べ、皮疹面積や痒みスコアで有意な改善がみられた。皮膚刺激感は38%で認められたが、一時的であり経過とともに減弱した42)。Wonらは韓国において、小児および成人AD患者180名を対象に4週間のオープン試験を実施し0.03%タクロリムス軟膏の有効性を評価した。EASIスコアは19.7から8.0に減少した。最も多い副作用は皮膚刺激感(45.3%)であったが、一時的であった43)

4) 他剤との比較試験
Pallerらは軽症から最重症までの小児(652名)および成人(413名)AD患者1,065名を対象に6週間投与でタクロリムスとピメクロリムスとの比較試験を行った。小児でも成人でも、0.1%タクロリムスは1%ピメクロリムスより有意に有効性は高く(全般改善率が52.8%対39.1%)、安全性に有意差はなかった。0.03%タクロリムスと1%ピメクロリムスでは全般改善率に有意差はみられていない44)。Fleischerらは中等症から最重症の成人AD患者281名を対象に、6週間投与で0.1%タクロリムスと1%ピメクロリムスとのランダム化比較試験を行った。0.1%タクロリムスの方が1%ピメクロリムスより有意に有効性が高く(皮疹減少率で57%対39%)、副作用には有意差がなかった45)
Reitamoらは、中等症から重症の成人AD患者972名を対象にステロイド外用とのランダム化二重盲検比較試験を行った。ステロイド外用群では、体幹・四肢にはヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド®)を、顔面・頚部には酢酸ヒドロコルチゾン(コルテス®)を用いた。0.1%タクロリムス外用群はステロイド外用群に比べて有意に高い有効性を示した46)。さらにReitamoらは中等症から重症の小児AD患者624名を対象に0.03%タクロリムスと酢酸ヒドロコルチゾンとのランダム化二重盲検比較試験を行った。0.03%タクロリムスは酢酸ヒドロコルチゾンに比べて有意に高い有効性を示した。皮膚刺激感は0.03%タクロリムスで有意に多かったが、多くの症例で3〜4日で消退した47)。Xhauflaire-Uhodaらは、中等症の成人AD患者24名を対象に、3週間投与で0.1%タクロリムスとベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV®)とのランダム化二重盲検左右比較試験を行った。皮膚バリア機能に関して両者で改善率に差はなかったが、外用中止後の皮膚バリア機能の保持という観点では0.1%タクロリムスの方が優れていた48)

5) ステロイド外用薬との併用療法
FurueらはAD患者(16歳以上)215名を対象にタクロリムスおよびステロイド使用に関する後ろ向き研究による調査を行った。大部分の患者はステロイドとタクロリムスの外用併用療法で6ヵ月後には皮疹は改善していたが、6%の患者で皮疹は良好にコントロールされなかった49)。NakaharaらはAD患者17名を対象に、4週間投与でステロイド(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル:アンテベート®)と0.1%タクロリムスの併用療法と、ステロイドと保湿剤(白色ワセリン)の併用療法との比較試験を行った。ステロイドとタクロリムスの併用療法の方が、慢性丘疹に対する効果が有意に高かった50)。HebertらはAD患者(18歳以上)82名を対象に、3週間投与で0.1%タクロリムスとステロイド(Desoximetasone)外用の併用療法と0.1%タクロリムス単独外用とのランダム化二重盲検比較試験を行った。タクロリムスとステロイド併用療法の方が、皮疹スコアの改善率が有意に高かった51)。Kubotaらは、小児AD患者28名を対象に、0.03%タクロリムスとステロイド(ウィーク〜ストロング)の連続併用療法の有用性を検討した。最初の2週間は、タクロリムスとステロイドを朝・夕で併用した。次の2週間は、平日はタクロリムスを日に2回外用し、週末はタクロリムスとステロイドを併用した。最後の2週間は、タクロリムスのみを日に2回外用した。90%の患者で6週までに皮疹の改善が認められた52)

6) 寛解維持療法に関するもの
Wollenbergらは成人AD患者257名を対象に、寛解導入が得られた後に12ヵ月間の投与で、週2回の0.1%タクロリムス外用と基剤外用とのランダム化二重盲検比較試験を行った。タクロリムス外用は基剤に比べて有意に症状再燃回数が減少し(平均で2回減少)、症状再燃までの日数も長くなる(平均で142日対15日)ことを示した53)。Brenemanらは中等症から重症の小児および成人AD患者383名を対象に、寛解導入が得られた後に40週間の投与で、週3回のタクロリムス外用(小児は0.03%、成人は0.1%)と基剤外用とのランダム化二重盲検比較試験を行った。タクロリムス外用は基剤に比べて有意に症状寛解期間が長く(177日対134日)、症状再燃までの日数も長い(443日対169日)ことを示した54)。Thaçiらは、小児AD患者267名を対象に多施設のRCTを行い、0.03%タクロリムスによる寛解維持療法の有用性を検討した。6週まではタクロリムスを日に2回外用し、寛解が得られた段階でタクロリムスまたは基剤を週に2回、12ヵ月間外用した。皮疹の再燃は、タクロリムスによる維持療法の方が有意に少なかった55)。Wollenbergらは、中等症〜重症の成人AD患者134名を対象に多施設でRCTを行い、タクロリムスの寛解維持療法の有用性と費用について検討した。タクロリムスによる維持療法(寛解後、タクロリムスを週に2回外用)をした群は、従来の治療(寛解後、基剤を週に2回外用)をした群に比べて、皮疹の再燃が有意に少なく、費用も有意に少なかった56)

7) 安全性に関する文献
Harperらは中等症から重症の小児AD患者39名を対象に、0.1%タクロリムスを2週間投与し血中のタクロリムス濃度の測定を行った。92%の検体でタクロリムス濃度は1 ng/ml以下と低く、17%の検体で検出限界以下であった。血中濃度は皮疹面積が増えると上昇する傾向がみられた。血中半減期は66時間であった57)。Rubinsらは中等症から重症の成人AD患者32名を対象に、0.1%タクロリムスを2週間投与し血中のタクロリムス濃度の測定を行った。96%の検体でタクロリムス濃度は1 ng/ml以下と低く、23%の検体で検出限界以下であった。血中濃度は皮疹面積が増えるに従い上昇した。また皮疹が改善するに従い血中濃度は下がった58)。Kruegerらは中等症から重症の小児および成人AD患者にタクロリムス(0.1%または0.03%)を外用した12の臨床試験から得られた血液データを用いて、タクロリムス血中濃度を解析した(成人で5821検体、小児で1488検体)。大部分(0.03%軟膏を外用した成人では95%、小児では99%、0.1%軟膏を外用した成人では85%、小児では93%)の検体で血中のタクロリムス濃度は1 ng/ml以下と低値を示した。タクロリムスの血中への移行は極めて低いことが明らかとなった59)
Naylorらはタクロリムス軟膏(0.03%または0.1%)を外用した小児および成人AD患者9813名を最長4年(平均約200日)にわたって観察した結果、悪性黒色腫以外の皮膚癌(NMSC)の発生は13例(基底細胞癌10例、有棘細胞癌3例)であったと報告しているが、13例全例においてタクロリムス軟膏との関連性はないと判断されている。また、13例中12例が40歳以上であったが、40歳以上のタクロリムス軟膏外用群におけるNMSCの発生率は、一般集団と比較して有意差はなかった60)。MargolisらはTCIであるタクロリムスとピメクロリムス外用が、NMSC発生に及ぼす影響を調べるため、5000名の成人の皮膚炎患者を対象にアンケート調査を実施した。性別、年齢、NMSCの既往、ADの既往などを調整して、NMSC発生のTCI外用に対するオッズ比を計算したところ、0.54と1より低い値を示した。すなわち、NMSC発生群では対照群に比べてTCI外用率はむしろ低く、TCI外用はNMSC発生率の増加に寄与しないと考えられた61)。Arellanoらは293,253名のAD患者(小児は81名)のデータベースを基に解析を行い、性別、年齢、ADの重症度などを調整して、タクロリムス軟膏外用のリンパ腫発生に対するオッズ比を計算したところ、0.8とむしろ低い値を示した。すなわち、AD患者に対してタクロリムス軟膏外用を行っても、行わない場合に比べてリンパ腫の発生率は増加しないことを示した62)
Parkらは中等症から重症のAD患者65名を対象に、0.03%タクロリムス軟膏を4週間外用しブドウ球菌感染への影響を検討した。外用1週後では、ブドウ球菌感染は外用前に比べて有意に減少した63)。HashizumeらはAD患者(16歳以上)388名を対象に後ろ向き研究を行い、タクロリムス外用前後で単純ヘルペス感染症の頻度を比較したところ、有意差を認めなかった64)

8) その他の文献
Freemanらは中等症から重症のADによる眼瞼炎の患者20名を対象に、8週間投与で0.1%タクロリムス外用の有用性を評価した。80%(16/20)の患者で皮疹は著明に改善し、副作用は外用当初の皮膚刺激感と痒みに限られていた65)。NiveniusらはADによる眼瞼炎の患者20名を対象に、3週間投与で、0.1%タクロリムスとクロベタゾン酪酸エステル(キンダーベート®)との比較試験(クロスオーバー)を行った。どちらも眼瞼炎の改善に有効であったが、0.1%タクロリムスの方が皮疹スコアの改善率が有意に高かった。眼内圧の上昇はともに認められなかった66)
KawashimaらはAD患者106名と健常人708名を対象にQOL調査を実施した。QOLはAD患者で健常人に比べ有意に低下していた(3.1対3.5)。またステロイド忌避のAD患者35名を対象にタクロリムスを1年間外用し外用前後でQOLスコアを比較したところ、外用後に有意に改善した(2.9から3.3)67)。Kondoらは、小児AD患者30名を対象に、0.03%タクロリムスを4週間外用し、皮疹やQOLに与える影響を検討した。皮疹、痒み、QOLともに外用1週後より開始時に比べて有意に改善し、4週後まで効果は維持された68)

トップページへ戻る 上へ戻る
九州大学医学部皮膚科学教室TOPへ