研究代表者　古江増隆 研究協力者　吉村映里、竹内聡、江�ｱ仁一 九州大学大学院医学研究院皮膚科学講座 九州大学大学院医学研究院皮膚科学講座

アトピー性皮膚炎患者では表皮バリア機能の障害や局所の免疫不全を背景として、細菌合併症を引き起こすといわれている。日常診療において頻繁に見られる伝染性膿痂疹は、アトピー性皮膚炎の患者で合併しやすく、その頻度も高いといわれている。また、健常人の皮膚常在菌細菌叢は大部分が表皮ブドウ球菌を主体とするコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase negative Staphylococcus, CNS)であるが、アトピー性皮膚炎患者の皮膚では皮疹部、健常様皮膚にかかわらず黄色ブドウ球菌が高頻度に存在する。皮膚炎の軽快とともにこの検出率が低下し、アトピー性皮膚炎の悪化、遷延化に深く関与していることが考えられている。これらのことから、アトピー性皮膚炎患者での黄色ブドウ球菌をはじめとする細菌感染症に対する治療効果に関して評価を行った。